漢方コラム
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Vol.132 アレルギーと腸内環境
アレルギー症状の悪化に関わる腸のカビ
アトピーや喘息など、アレルギーは腸内環境と密接に関係しています。実際にアトピーの方の便を調べるとカンジダというカビや病原性細菌が通常より多く検出されるそうです。元々腸にはいろいろな細菌やカビがいるのですが、免疫低下や食事や薬品の影響などで急激に増えたり、腸内細菌のバランスが崩れることによってアトピー性皮膚炎が悪化します。筑波大の研究チームは、カビの仲間であるカンジダが増えることでぜんそくが悪化するという仕組みを突き止めました。カンジダ菌が増殖することで腸の壁を傷つけてしまい、未消化の食べ物が体内に入り込みやすくなります。ということは、食べるものでのアレルギー反応が出やすくなります。腸内環境はさらに悪化し、善玉菌がどんどん減少していきます。カンジダトキシンという毒素をだし、アレルギー、アトピー、便秘、下痢など、さまざまな疾患の悪化に繋がります。
カンジダ菌が増えてしまう原因は、免疫力の低下や、砂糖がたくさん入ったもの、果糖、アルコール、イースト、防腐剤、塩素...などを口にすること。私たちの腸は昔と何も変わっていないのに、食べ物が大きく変わり、水も安全ではなくなりました。腸内の細菌のバランスが大きく変化してしまうのも当然です。善玉菌を増やし、カンジダ菌を増殖させない環境を作ることが重要なポイントになります。
「五行草」などの薬草にも腸の毒素を排出し、腸内環境を整えるものがあります。他にも漢方薬には体の毒素を排泄し、腸内環境を整え、免疫機能が正常に働く仕組みを整えるという働きがあります。症状コントロールだけではなく身体の仕組みから変えてみませんか?