漢方コラム
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Vol.131 現代型不眠 ~テクノストレス:VTD症候群~
スマホ、パソコンによる脳の興奮?!
昔はしっかり眠れていたのに、最近うまく眠れない...、寝ても常に夢をみているようでまったく寝た気がしない、すぐに目が覚めて深く眠れない、寝たのに疲れがとれず寝不足の時のような頭痛がする...など、眠りに問題のある人は今では6人に1人はいると言われています。
また、厚生労働省の報告によると睡眠で十分に体が休まっていないと感じている方は30〜40代に多いようです。「精神的・身体的なストレスによる脳の興奮」が大きく関係していると言われていますが、最近ではこの原因の一つとして、テクノストレスと言われるその中の一種のVDT症候群が体や精神に異常をきたすことが懸念されています。
VDT症候群とは、スマートフォンやパソコンなどの情報端末を長時間見続けたために目の疲れや痛み、視力低下、首や肩のこり、頭痛などのほか、不眠や精神的にも疲れてしまうような症状があらわれます。仕事で1日4時間以上パソコンをみていたりする方には、これらの症状がみられやすくなります。便利なスマホやパソコンですが、夜遅くまで使用していたり、布団の中でも画面をみていると脳が興奮状態になり、よい睡眠をとることは難しくなります。できるだけ長時間の使用や、夜遅くの使用は避けたいですね。
昔から精神が不安定で神経が高ぶりうまく眠れない人には琥珀(こはく)、竜骨(りゅうこつ)、珍珠母(ちんじゅも)、酸棗仁(さんそうにん)、柏子仁(はくしにん)、竜眼肉(りゅうがんにく)、短梗五加果(たんこうごかか)、大棗(たいそう)、遠志(おんじ)、茯苓(ぶくりょう)などの生薬を用いることで、神経興奮を鎮め、安眠を取り戻していきます。神経が高ぶり、夜になっても抑えることができない方にはお勧めです。