漢方コラム
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Vol.127 更年期障害の若年齢化~早めの対策で「更年期」を乗り切ろう!~
《漢方で予防も! 卵巣機能を高める》
更年期障害は「不定愁訴」といわれるように、細かいものも含めると症状が200種類はあるといわれています。女性のホルモンバランスは卵巣と脳の視床下部から分泌されるホルモンの連携により成り立っています。
ところが、卵巣の力が弱まると脳から「もっとホルモンを出せ」という命令が出ます。それでも卵巣が十分な反応をしないと、脳はもっと強く指令を出します。脳から卵巣へ指令を出している部分と自律神経を支配しているところは同じところにあります。家の中でだれかがイライラしていると家族を巻き込んでケンカになってしまうことがあるように、脳の指令部の興奮は結果的に自律神経の働きをも乱してしまうことがあります。
自律神経は消化吸収や血液循環、代謝機能など重要な働きを支配しており、自律神経が乱れると、あらゆる症状が出てきます。そのため更年期障害の症状は200種類を超えるほど多種多様なのです。
通常、更年期は45歳〜55歳ですが、近年若年齢化しており、35歳前後の人の更年期障害が増えています。40代前半で更年期障害になり、倦怠感がひどく家事をこなせなかった人が家族に理解されず、ただの「なまけぐせ」と誤解されていました。当店に相談に来られ、漢方薬を始めて体調が安定し、何よりも精神的に楽になったそうです。
更年期障害は漢方薬での予防が可能です。漢方の考えでは更年期障害は35歳を超えたらもう予防の準備をしたほうが良いといいます。しかし、現代ではもっと早くから卵巣機能等の働きを高めておく必要がありそうです。