漢方コラム
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Vol.119 気になる子どもと漢方
≪穏やかに作用し即効性・予防・体質改善も≫
漢方は小さなお子さんでも飲むことができます。昔は生まれてすぐ、胎毒を出すために「マクリ」という漢方薬を飲ませていました。漢方薬は合成医薬品よりも量が多いので、決められた量をきちんと飲ませるなら離乳食をスタートした頃、生後7カ月か8カ月からが良いと思います。うちの長男は8ヶ月で漢方デビューしました。初めはべぇ〜っ〞と出していましたが、今では風邪予防の板藍根(ばんらんこん)のお茶などはそのまま美味しそうに飲んでいます。
アトピー性皮膚炎などの漢方薬は苦いものが多いのですが、4歳ぐらいからはそのまま飲んでくれる子が多くなります。本人に治したいという気持ちが芽生え、飲もうとしている頑張り〞がとても健気です。どうしても飲めないお子さんには野菜スープに溶かしたり、甜菜糖(てんさいとう)やハチミツなどを混ぜて工夫してみましょう。
漢方薬は医薬品ですが、無理やり症状を押し込めるような強いものではありません。風邪をひいたときに、「強い薬を使いたくない」「早く治したい」と思う人は「自然治癒力」をサポートする漢方薬が良いと思います。また、「うちの子は食が細くて困る」という場合、間食のせいでないなら、胃腸虚弱の体質である可能性があります。無理に食べさせようとしたり、高カロリーのものを食べさせるとますます胃腸の働きが悪くなって食べられなくなります。体質的な弱点を補うという意味でも漢方薬は良いでしょう。