漢方コラム
◀
199/313
▶
Vol.115 「血」と密接に関わる女性特有の病気
《貧血、冷え性、生理不順、肌荒れなど。生薬当帰〞で血を補い、元気に美しく》
女性は「血」をもって体の根本となす〞という言葉があります。月経、妊娠、出産、授乳は女性特有の生理現象ですが、すべて「血」と密接に関わっています。
子宮は「血海(けっかい)」といわれ、血液で満たされて循環の良い状態が健康状態が良いということ。貧血、冷え性、生理不順、生理痛、不妊、肩こり、便秘、肌荒れ、抜け毛、更年期障害、爪がもろい、睡眠が浅い−などの症状には「血の不足」や「血行障害」を考える必要があります。
ここで注意したいのは、貧血検査ではひっかからない「血の不足」についてです。赤血球数が十分でも、一つひとつの赤血球が元気かどうかが重要なのです。赤血球に元気がないと、貧血でもないのに立ちくらみをしたり、冷えたり、疲れやすいなどの症状が起こります。
漢方で血を補うということは、鉄分や血を増やし、さらに生理やホルモンバランスを整えるということです。さまざまな生薬がありますが、中でも「当帰(とうき)」は女性の妙薬〞といわれ、昔から重宝されてきました。私自身は20年以上、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」という、当帰という生薬が70%を占める漢方薬をのんでいます。
華中科学技術大学の研究によると、当帰には血を増やし、体を温め、疲れをとるなどの働きのほか、性腺軸に作用して卵巣発育促進のホルモンと、排卵促進、流産防止、着床促進のホルモンの分泌を高める働きがあることが分かっています。試飲もできますので、気軽にご相談くださいね。