漢方コラム
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Vol.112 男性不妊の大敵は?
《漢方の「腎」は生殖機能や免疫系など老化にも関連》
子供ができないカップルの約半分は男性側に問題があるといわれています。日本人男性の精子は、ヨーロッパ諸国の同年代男性に比べると最も少ないそうです。20〜30代のデータですから、「草食系」といわれる男性が多いのもうなずけます。
なぜ日本人男性の元気がなくなってしまったのでしょう? 考えられる要因の第一は「ストレス」。ストレスが多いと、男性ホルモンの1つ「テストステロン」が低下します。精子の発育や性欲に関わるホルモンです。
《規則正しい生活習慣と漢方で「腎」の力を補って!》
男性も年齢による影響を大きく受けますが、漢方の「若腎虚(わかじんきょ)」という症状にあたります。若くても体内老化が進んでいる人がいるため、20代30代でも一度検査に行っておくと良いでしょう。
漢方の「腎」とは腎臓の他、生殖機能やホルモン分泌系、免疫系などのことを広く指します。根気の低下、集中力の低下、腰がだるい、性欲の低下、髪が抜ける、骨がもろい、などは腎の働きの低下(老化)を指し、「腎虚(じんきょ)」といいます。男性は8の倍数の年齢で体の節目を迎えますから、40歳が「男性力」の節目。このころから腎虚が始まります。生活リズムの乱れはホルモン分泌の乱れを招き、ファーストフードなどでの外食は野菜や亜鉛などのミネラルが不足します。タバコはNG。精子の奇形率が高くなり、運動率が低下します。
精子は熱に弱いため、飲酒や長風呂、長サウナ、膝の上でのPC作業などに注意しましょう。漢方では「補腎薬」を用いて生殖機能を含む腎の力を高め、体も精子も元気にしていきます。