漢方コラム
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Vol.109 花粉症~免疫細胞が集中する腸は元気の発電所〞~
《胃腸を強化・調整し、免疫力を高める》
花粉症の人にはつらい時期ですね。漢方では花粉症を「衛気虚(えいききょ)」とみます。衛気が不足しているという意味で、衛気というのは主に皮膚粘膜の免疫力を指します。体表を守る衛気と体内を守る営気の反応が乱れた「衛営不和(えいえいふわ)」の状態です。…なんのこっちゃですね。
アレルギーは、抗原(花粉など)の刺激に対する免疫の過剰反応です。免疫システムにおいて、自制力が失われている状態です。調整できないのは「気」の不足があるから。「脾胃(消化器系)は気血津液(体を構成する基本のもの)を作る源」といいます。胃腸は元気の発電所。胃腸の強化が重要になるのです。
「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」という漢方薬が体質改善によく用いられますが、胃腸の気を補い免疫力を高めるオウギを主薬に、胃腸の働きを良くするビャクジュツ、抗アレルギー作用のあるボウフウの3つの生薬から成っています。腸には全身の免疫細胞の約6割が集まっており、免疫システムの重要な役割を果たしています。
例えば抗生物質を飲むと腸内細菌が減少し、特に善玉菌が影響を受けてアレルギーが増えるといわれています。甘いものや冷たいもの、添加物まみれのものなど自分が食べた物でもアレルギーを引き起こします。
味噌や麹、納豆など日本には私たちの体質に合う素晴らしい発酵食品があります。特に味噌汁は温かい状態で飲むものですからより一層体に良く、毎食摂りたい1品です。