漢方コラム
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Vol.107 過食で渋滞〞した腸をキレイに
《適度な空腹のために腹7分目が目安》
前回、腸内免疫について書きました。腸の中が汚れていると免疫力が低下し、薬も効きにくく、病気になりやすくなります。
子どもの病気のほとんどは「過食」と「冷え」が原因だといわれます。子どもに限らず、飽食の時代の現代はお腹いっぱい食べるのが通常で、胃腸はヘトヘト、腸の中は渋滞が起こっています。
人間は「飢餓」状態であるほうが、「長寿遺伝子がONになる」といわれます。過ぎるよりは足りないくらいのほうが良いわけです。仕事や勉強も10の力で10こなすよりも、10の力で7こなすほうが余裕があり、効率が上がりますね。
満腹になると、消化にエネルギーが取られて集中できません。少しお腹が減っているときの方が効率は良いですが、減り過ぎると良くありません。
先日、ハエでこのことを実験した研究チームがおもしろい発表をしました。ショウジョウバエを空腹にさせると物事を長時間覚えておく「長期記憶」が向上するということを確認したのです。「腸の中をきれいにするには○○を食べると良い」という情報はあふれていますが、「適度な空腹状態」を作ることも非常に重要といえそうです。
空腹にすることで腸の中の掃除が始まります。散らかった部屋に新しい家具を運んでも納まらないように、一度いらないものは捨ててキレイに掃除してから、取りこむということが私たちの体にも必要なのです。腹7分目くらいを目標に! 小腹がすいたら手作りの野菜ジュースや野菜スープを飲むと良いですよ。