漢方コラム
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Vol.106 生活習慣の乱れや加齢が招く腸内細菌のバランスの変化に注意を
《腸をキレイにして病気を防ぎ、元気に長生き!》
中国に「欲得長生、腸中常清」ということわざがあります。「長生きしたければ、常に腸の中をきれいにしておくこと」という意味です。便秘、ストレス、過食、高脂肪食など不規則な生活による腸内環境の悪化が、高血圧、糖尿病、循環器疾患、大腸癌、乳癌、アトピー、潰瘍性大腸炎、クローン病などの発症や進行に関わっていることがわかってきています。
健康な成人の腸には100兆個以上の細菌がせい息しています。善玉菌20%と悪玉菌10%、その中間の日和見菌が70%で、健康な人の腸内細菌はこのバランスを一定に保っています。しかし、生活習慣と加齢により、腸内細菌のバランスは変動します。アルツハイマー型認知症の人の便には悪玉菌であるウエルシュ菌の割合が高く、乳癌は便秘の女性に多いという報告もあります。医療界では、発ガン成分を含む「有害毒素」が多くの病気の要因になるとされています。この有害毒素を産出しない腸内環境作りと、有害毒素の排泄がしっかり行われているかどうかが健康のバロメーターになるのです。
腸は最大の免疫器官です。「腸内免疫」という言葉もあります。口や食道、胃、小腸、大腸は体の内部ではなく、ちくわのように外部と繋がっています。「内なる外」ですね。そのため、侵入してくる病原菌や有害な化学物質の異物から体を守るために多くの免疫防御機構が備わっているのです。腸をきれいにすることは免疫力を高め、病気から身を守る優れた方法です。その為の秘訣は次回!