漢方コラム
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Vol.102 根本的な体質改善と対処療法で「鼻」の悩みを解決
《鼻水は透明でサラサラ? 黄色く粘っこい?原因と体質を見極め、自分に合った漢方薬を!》
漢方相談には「鼻」の症状でたくさんの人が来られます。風邪や花粉症のほかにアレルギー性鼻炎や蓄膿症、慢性鼻炎などがあります。
鼻水、鼻づまりがひどくなると「集中力が低下して勉強や仕事がはかどらない」「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚める」「においを感じない」など生活にも支障をきたし、たいへん苦しいものです。鼻の症状で用いる漢方薬は実に多く、大きく分けると早く症状を抑えるために対処的に用いるものと、根本的に体質改善するために用いるものがあります。
漢方の特徴の一つに寒熱(かんねつ)があります。その病気は冷えて起こった症状か、熱(炎症)があって起こった症状かによって薬を使い分けるのです。
例えば、透明でサラサラの鼻水には小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、黄色く粘っこい鼻水には鼻淵丸(びえんがん)と、用いる漢方薬は変わります。寒い日に朝起きると鼻が詰まり、お風呂に入ったり、温めると楽になるようなタイプの鼻づまりには葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)という漢方薬などを用いますが、鼻をかむと黄色く粘っこい鼻水が出るようなタイプには辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)という鼻の粘膜の炎症を鎮めて鼻を通す漢方薬などを用います。
実際には他にもたくさんの漢方薬があるため、専門家に相談した上で合うものを処方してもらいましょう。眠くなるなどの副作用もなく症状を改善できるため、授業中や仕事中、運転中でも心配なく服用できます。