漢方コラム ◀ 215/313 ▶

Vol.99 台風と体調不良

《人間は自然界の一部外界からの影響を漢方で乗り切る》
台風が来ると、体調が悪くなる人がいますね。台風が来る前から体調が悪くなるため、天気予報を見なくても分かると言う人もいます。症状としては頭痛、めまい、吐き気、体の重だるさ、むくみ、関節痛、喘息、皮膚病などです。特に、頭を締め付けられるような痛みに見舞われる場合が多いようです。西洋医学的では「低気圧で副交感神経が優位になり、血管が拡張するため」と解析。東洋医学では別の表現で解釈していますが、共通点がたくさんあります。

台風に限らず気圧や気候の変化によって体調は大きく左右されます。人間は自然の一部であり、絶えず自然界の影響を受けているからです。
自然界には六淫邪気（ろくいんじゃき）といって、風邪（ふうじゃ）・暑邪（しょじゃ）・湿邪（しつじゃ）・燥邪（そうじゃ）・寒邪（かんじゃ）・熱邪（ねつじゃ）の６つの病気の原因となる外部の環境変化があります。これらはいずれも口、鼻あるいは体表から体内に入ります。特に台風は「風」「湿」の特性が強いと思います。沈重性があるため、重だるい、頭重感、手足が重だるい、重だるい痛みなどが出やすく、めまいや吐き気、関節痛なども引き起こします。また、定着性が高いため、いったん症状が出るとなかなか治りにくいのが特徴です。胃腸が弱い人や抵抗力が弱っている場合に症状が現れてきます。舌をみると苔が分厚く、舌自体が大きく膨らんでいる人が多いですね。漢方薬でゆっくりと確実に体質改善していくことが予防の早道といえるでしょう。