漢方コラム
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Vol.98 なぜ「冷え」はいけないのか?
《東洋医学で『冷え』は万病の元 冷えると免疫力・抵抗力が低下》
西洋医学で「冷え」は病気として捉えられていませんが、東洋医学で「冷え」は健康を害し、万病の元になる、良くないものと考えます。現代の日本人の食習慣で悪いものを1つ挙げるとすれば『冷たいものを摂る』は外せません。
私の住む石川県はアイスクリーム消費量が日本一だそうです。この結果を目にした時、私は愕然としました。冷たいものを食べたり飲んだりするということに抵抗がないということは、実は怖いことなのです。
中国は恐ろしいほどのスピードで近代化しているため、現在は分かりませんが、以前中国に研修に行った時はどの食事処へ行っても常温のビールが出てきました。冷たいビールは『冷たいものを好む日本人用』でした。中医師の先生が日本に来た時、お店に入ると冬でも氷入りの水が出てくることに驚いたそうです。
体は1度冷えると免疫力も抵抗力も落ちます。冷蔵庫から出したお茶が4度だとすると、それを飲むということは体温差30度以上のものが一気に体に入るということです。これを繰り返していると、血行が悪くなり、酸素と栄養が全身に行き渡らず、体に老廃物がどんどんたまります。老廃物で内臓機能が低下し、あとは連鎖的に全身の機能が低下していきます。
胃の下にある子宮や卵巣も冷えで機能低下し、生理痛やさまざまな婦人病にかかりやすくなります。妊娠中の冷たいものも良くありません。私はできるだけ体温以上のものを口にすることを心がけているので、仲間内からは「常温の女」と笑われていますが、ぜひ皆さんも「常温の女」にトライしてみてください!