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漢方コラム 220/313

Vol.94 妊娠中の医薬品服用

《自己判断は禁物! 妊娠中の薬!専門家に相談し、正しく服用》
1960年代に起きたサリドマイド薬害により、薬物には催奇形性があることが知られるようになりました。薬剤の分子量が600以下のものは胎盤を通過するといわれており、通常の薬は分子量が250〜400ですから、胎盤を通過、胎児に移行します。実際には薬物の性質のほか、母体・胎児の血流など多くの因子が影響するといわれ、妊娠週数や個体差にもよるといわれています。
妊娠初期に「妊娠していることを知らずに常備薬、ピルを服用したが大丈夫?」と心配する女性が多くみられます。その場合は分かった時点で服用を中止すれば大きな心配はありません。薬剤師に相談の上、成分に注意しながら最少量で短期間の服用で済むようにしたいものです。
ピルは妊婦または妊娠している可能性がある人には禁忌です。胎児の先天奇形の心配はほとんどありませんが、妊娠が確認された時点で服用を中止しましょう。その他、持病のある人も主治医と相談の上検討されることをお勧めします。

《四千年の歴史の中で培われた体にやさしい漢方》
妊娠中の漢方薬はどうなのでしょう? 4000年という長い歴史の中で、漢方薬には催奇形性がないということが分かっているため、開発されたばかりの医薬品に比べると、胎児へのリスクは極めて少ないと思います。けれども、体に優しい漢方薬にも一部、妊娠中に用いないほうがよいものもあります。漢方薬についても自己判断は絶対にいけません。風邪薬や持病の薬、漢方薬を妊娠中に服用したい場合はまず、専門家に相談することが大切です。
ブヘサ中村固腸堂
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