漢方コラム
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Vol.93 血が足りない!〜体の細胞や器官が酸欠状態に〜
「貧血」とは、血液中の赤血球が減り、血液が薄くなった状態です。自覚症状がなくても、検査で「貧血」という結果が出る人がいたり、数値的に問題がないのに貧血の症状が出る人もいます。漢方では「血液検査でひっかからなくても、自覚症状がある」という人も血が不足しているとみなします。
▼立ちくらみ、▼血色が悪い、▼疲れやすい、▼爪が割れる、▼乾燥肌、▼髪がパサつく、▼生理の量が少ない、▼血の色が薄い、▼冷え性、などの状態が少しでもあれば『血虚(けっきょ)』で、血が不足して体の各器官や細胞が酸欠状態になっていることを示しています。このような人の舌をみると色が薄く、眠りが浅くて集中力を欠き、仕事や勉強がはかどらないということを訴える人もいます。よく眠り、集中して勉強や仕事に取り組むためにも、血液が必要なのです。
中国では、産後は大量の血液を消耗したということで、なつめや高麗人参、金針菜など気血を補うものをたくさん入れた、お母さんの手作りスープを毎日飲むのだそうです。目を使うことも血液を消耗するため、冷たいものや刺激物を控え、妊娠中や産後、生理中は目を休めるという養生が暮らしの中に根付いています。女性は毎月、生理があるため、目を休める生活習慣や良い食習慣が求められます。
貧血の背景に病気が隠れていることもあるので、自己判断せず受診することをおすすめします。