漢方コラム
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Vol.89 乾燥・オイリー 〜つきない肌の悩み〜
《漢方で根本的な体質の改善を!!》
肌には乾燥肌とオイリー肌があります。また、それの混合もあります。乾燥肌はしわやたるみを招く美容の大敵であり、オイリー肌は毛穴が目立つ、吹き出物、にきび、脂漏性皮膚炎になりやすいなどの問題があります。
中医学でみた場合、乾燥肌の原因として、@遺伝的素因A生活習慣の乱れ(偏食、拒食、睡眠不足、ストレス、過労)などによる肌の潤い不足B冷え性や生理不順、貧血、胃腸が弱いなど−が考えられます。
@はアトピー性皮膚炎など、元々肌のバリア力が弱いタイプ。漢方薬で気や血を補い、先天的に弱い部分を助けながら生活の養生とスキンケアを同時に行えば改善する可能性があります。AやBは気虚(ききょ)、血虚(けっきょ)の状態が強くみられることが多く、内臓を元気にして皮膚に潤いを生みだす血液を補うことが重要です。皮膚表面の乾燥だけに捉われないことが大切ですね。
オイリー肌は中医学では「陽盛(ようせい)体質」と考えます。体に熱がこもりやすく、刺激物や脂っぽいものを摂り過ぎるとニキビや吹き出物が出やすいタイプです。どちらかというとがっちり体系で、便秘傾向の方が多いようです。日本の食事が欧米化したことで、最近の子どもたちも陽盛傾向が強く、思春期のニキビが出やすくなっています。オイリー肌を改善するためにはまず、脂っぽいもの、糖分の多いもの、スパイス類など刺激物は避けた方が良いでしょう。小さいうちから正しい食生活を身につけることで、ニキビ体質の予防にもなります。