漢方コラム
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Vol.88 「顔」でチェック!体の状態
「体の状態が映し出される顔%熨氓ェ悪くなると顔色も悪く…」
漢方は病名診断をしません。それは漢方が症状の改善だけを目的としているのではなく、体質的な弱点やゆがみを整えて『根本的』改善を目指しているからです。例えば、「頭痛」でも細かく問診して原因を探ります。また、客観的な診断として声の大きさやしゃべり方、においなども重要な情報になり、これを聞(ぶん) 診(しん) といいます。
もう一つは舌をみたり、顔色をみる、望(ぼう)診(しん) です。体の状態は顔にもダイレクトに映し出されているのです。
顔色が悪いのは内臓の働きが悪いということの現れです。特に女性は貧血傾向になりやすく、症状が軽ければ顔色は白っぽく、ひどくなれば茶色っぽくなります。目の下のくまも目立ち、肌にツヤがなくなり、乾燥します。特に生理前に顔色が悪くなる人も多いようです。目の使い過ぎや寝不足も血液を消耗するため、まずは早く寝て、しっかりと血液を補う食事や漢方薬を生活に取り入れると良いでしょう。
漢方では顔色の変化で五臓の変化をみることができます。胃腸が弱い人や胃下垂で疲れやすい人は顔色が黄色っぽくなります。顔色が赤いのは心臓に負担がかかっていたり、血圧が高く、お酒を好む人に多く、体に余分な熱がこもっています。肝臓が悪くなると顔色は青くなり、腎臓が悪くなると体中に老廃物が溜まるため、顔色は黒っぽくなります。肺や呼吸器系が弱い人は色白の場合が多く、皮膚トラブルも起こりやすいと言えます。毎朝自分の顔色で、健康チェックをしてみてはいかがでしょうか。