漢方コラム
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Vol.86 食養生〜体質に合う食事が体に良いもの=`
《老廃物を排出して胃腸をキレイにすることがカギ》
私が勤務している中村固腸堂では体の不調を改善するために、時間をかけて問診をし、体質に合う漢方薬を処方させていただいています。その際、必ず食養生のお話もします。
お店の入り口には『欲得長生、腸中常清』という言葉を彫って掲げています。『長生きしたければ、常に腸をきれいにしておくこと』という意味。中国のことわざで、薬膳の考え方が根付いている中国ならではですね。
現代人は甘いものや動物性食品の摂り過ぎ傾向にあり、また、添加物や農薬など食の問題が山積みです。「病は口から入る」というように、私たちは食べ物により自ら病気を作りだし、治癒力も低下させてしまっているのではないでしょうか。
自分に合う漢方薬を飲んでいても、合わない食事を続けていると改善に時間がかかります。逆に、正しい食事・食生活の人は胃腸がキレイで漢方薬の吸収も良く、改善もスピーディーです。
現代人は飽食の状態にあるため、良いものをたくさん摂ることよりも、体にたまった老廃物を排泄することがカギだと思います。散らかったテーブルに物は置けず、整頓して初めて新しい物が置けます。私たちも腸をキレイにするということが大切です。
昔の人はアレルギーや骨がもろいということもなく、子どももたくさん産んでいました。昔の人が食べていたご飯、つまり「ダシから取った味噌汁」「漬けもの」「煮もの」という食事が一番日本人に合っていると思います。日本には味噌や醤油、ぬか漬け、麹など素晴らしい発酵食品がたくさんあります。たまの外食は存分に楽しんで、おうちでの食事を見直していきたいですね。