漢方コラム
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Vol.79 2人目不妊 〜妊娠・出産で消耗した血液を漢方でやさしく補いましょう〜
自然妊娠で1人目が生まれたのに、何年経っても2人目ができないという話をよく耳にします。一度は自然に妊娠したのになぜでしょう?
一番多いと思われる原因に、産後の不養生が挙げられます。「出産は病気ではない」と昔からいわれ、産後も家事や育児に奮闘し、つい頑張りすぎてしまうのです。
出産は母体にとって体の大掃除になり、血の滞りである瘀血(おけつ)がとれて生理痛が楽になったという人がいるかもしれません。しかし、妊娠・出産は大仕事で体は消耗し、特に血を大量に消耗します。産後、髪が抜けたり肌がかさついたり、目が疲れやすいのも血の不足によるものです。
母乳は白い血液とも呼ばれ、授乳は血液の消耗に直結します。母の体は赤ちゃんのために身を削って一生懸命頑張っているのです。漢方の食養生では赤い食品(人参、トマト、なつめ等)や、黒い食品(黒豆、海藻、黒ゴマ等)が血液に良いとされ、産後はもちろん、妊娠中から摂ることをおすすめします。
漢方薬には良い補血薬がたくさんあります。そのような力のある漢方薬の助けを借りることも、体を守るための一つの良い方法です。生理周期や基礎体温などをセルフチェックしてみましょう。また、生理の時の血の色や量、塊がでるか、なども確認してみてください。血の量が少ない人は内膜が薄いためで、赤ちゃんにとっては居心地の悪いベッドになってしまいます。自分にできる方法で体を整えてみましょう。