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漢方コラム 236/313

Vol.78 妊娠しやすい体作り

「妊娠力」というのは特別な治療法などではなく、女性が誰でも持っている『力』です。しかし、晩婚化、食事内容や生活環境の変化、ストレスなどにより冷えやホルモンバランスが乱れ、妊娠力が低下している傾向にあるようです。女性だけではなく、男性の精子の数や運動率なども低下してきており、今では不妊の約半数は男性側に問題があるともいわれています。
中国医学では「先天の精(せんてんのせい)」といって、両親から受け継ぐ生命エネルギーが豊富だと、生まれてくる赤ちゃんの発達が良くなると考えられています。先天の精は「腎精(じんせい)」とも呼ばれ、両親が健康で腎精にあふれていると、子どもは腎精をたっぷり蓄えて生まれてくることができ、反対に腎精が少ないと病弱といえます。
元々は健康でも、寝不足や過労、体を冷やしたり、食事内容が悪いなどの生活を送っていると腎精はどんどん消耗されていきます。
「腎」というのは腎臓だけを指すのではなく、現代医学でいう、生殖、発育、ホルモンなど内分泌系などと深い関わりがあります。そのため、妊娠しやすい体作りには冷えを生まない普段の養生はもちろん、「腎」の働きを高めていくことも大切です。
漢方では腎の働きを高めるため『補腎薬』を使います。漢方生薬には植物生薬と動物生薬がありますが、動物生薬は力があり、補腎薬に多く用いられています。専門家の漢方処方で、まずは体を整えることから始めてみてください。
ブヘサ中村固腸堂
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