漢方コラム
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Vol.70 老化 〜老化は『腎』の働きの低下と、血流の低下から〜
人は歳とともに体の機能も低下し、あちこち支障がでてきます。しかし、年齢の割に肌がつやつやしていたり、足腰が丈夫で元気いっぱい、という方もたくさんいます。
老化スピードは人によって違います。老化にストップはかけられませんが、老化スピードを緩やかにするということは可能です。
そのために重要なキーワードは「補腎(ほじん)」と「活血(かっけつ)」!
東洋医学でいう腎とは、腎臓だけを指すのではなく、生殖・発育・ホルモン・内分泌系と関係が深く、腎は耳や骨、膀胱、髪の毛などと繋がっています。腎の機能低下が「老化」ということになります。
耳の聞こえが悪くなったり、骨がもろくなる、頻尿や排尿困難などの泌尿器系のトラブル、脱毛や白髪などの症状がでてきます。腎は「命門の火」と表現され、命を灯す火、であり、生命力の源でもあります。
人間は産まれてから、腎に蓄えられている燃料が限られており、増えることはありません。過労や不摂生などが過ぎれば早いスピードで減っていきます。
「補腎(ほじん)」という考え方は、生薬や植物の力で腎の働きを高めるという意味で、腎の働きが高まればホルモンバランスも整い、耳、骨、髪なども若々しく保つことができます。
漢方生薬では地黄(じおう)や鹿茸(ろくじょう:鹿の角)などさまざまなものがあり、経験則によってその他の生薬と絶妙に配合された漢方薬がたくさんあります。
もう一つのキーワードは「活血(かっけつ)」!人は血管から老いるといいます。血管がもろくなり血流も悪くなることで各器官や内臓の働きも低下してしまいます。
活血というのは血液をイキイキと流れをよくする、ということです。生薬では丹参(たんじん)、紅花(こうか)など活血作用のある生薬がたくさんあり、これらを含む代表的な漢方薬に「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」があげられます。