漢方コラム
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Vol.68 血液イキイキ、丈夫でしなやかな血管を!
人間は血液で生きています。血液が酸素と栄養を運び、老廃物を回収しています。
人は血管から老いるといいますが、血管がもろくなることで血液が各器官や臓器に送り込まれにくくなることが老化ともいえるでしょう。
いつまでも若くいたいという方は、運動や食事などに気をつけますが、どちらも血管を丈夫にし、血液をきれいにして流れをよくすることにつながります。
肌を美しく保つためにもマッサージをしたり、食事に気をつけますが、これも同じことです。
血液サラサラという言葉が流行りましたが、血液はサラサラなだけでは十分ではありません。サラサラは、粘っこい血液に対しての言葉です。
しかし、血流が悪くなる原因は、血液の粘りだけではありません。心臓のポンプ力や足の筋力が弱いために勢いよく流れないということもあります。貧血気味で材料が足りないために勢いがない場合もあります。
血液はサラサラかつ、イキイキとしていなければいけません。そのためには丈夫でしなやかな血管であることも重要!甘いものの摂りすぎは血管を錆びさせ、揚げものなど脂っこいもの、スナック菓子などの酸化したものも血管をもろくします。
《血液、血管を若く保つ生薬『丹参』》
漢方薬には活血剤(かっけつざい)といい、血液をイキイキとそしてサラサラにするものがたくさんあります。
中でも、丹参(たんじん)という生薬は中国では、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞、などの予防や治療に用いられており、現在ではさまざまな研究が進み、認知症、糖尿病、高血圧、などに効果があることも分かってあり、老化を遅らせる作用まで確認され注目されています。
丹参は単独で用いることはあまりなく、数種類の生薬を組み合わされた漢方薬として用いられます。代表的なものに『冠元顆粒(かんげんかりゅう)』があります。
漢方薬の良い点は血液の流れをよくするものでも、出血が止まらなくなるということがありません。