漢方コラム
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Vol.60 冷えのぼせ 〜血流滞るサイン〜
《足は冷え、顔ほてり頭はボーッと…》
足先は冷たいのに、顔がほてり頭はのぼせている状態。これを「冷えのぼせ」といいます。東洋医学では「瘀血(おけつ)」といい、血流の悪いタイプに多くみられます。
温かいものは上に、冷たいものは下にたまる性質は昔のお風呂と同じ。かきまぜて均一にないといけません。人間の体も血行が良い状態であれば上下のバランスはとれるのですが、血流が悪いと下半身が冷たく、上半身がのぼせた状態になります。「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」といい、人間は足が温かく、頭が冷えているほうが健康とされています。
冷えのぼせを解決するには、特に足を動かすことが重要です。足を動かすと下にたまった冷たい血液が巡り始めます。女性は男性よりも筋肉量が少ないため、冷えやすいのです。特に運動不足の方はよく足を動かすようにするとよいですね。コタツやカーペットで温めるだけではなく、筋肉を動かして血液を流しましょう。
漢方薬には活血薬(かっけつやく)といい、血液をきれいにし、血流を良くするものがたくさんあります。冷えのぼせは女性に多くみられ、その原因は血液自体が不足している「血虚(けっきょ)」という状態が多くみられます。
勢いよく血液を流すためには材料が必要です。血液不足になりやすい女性のために、血液を増やし、血行を良くする漢方薬が用いられます。体を温めるニラ、ラッキョウなどのネギ類や香辛料も上手に取り入れましょう。