漢方コラム
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Vol.59 『男性不妊』−東洋・西洋の医学を組み合わせ、治療効果高める
《不妊原因の約半数が男性不妊−精子量減少、運動率低下、奇形率上昇》
不妊症というと、「女性に原因がある」ように思われがちですが、不妊カップルの約半数は「男性側の問題」と言われています。この20年間で精子の量は3分の2に減少し、運動率の低下、奇形率の上昇も確認されています。
原因としては環境ホルモンやストレス、不規則な生活や偏食、運動不足などが挙げられます。心配な方は病院で精液検査を。精子の数(2000万/㎖以上)、運動率(50%以上、うち、直進性運動率25%以上)、奇形率(30%未満)、一回の射精量(2㎖以上)などの基準値を満たしているか調べられます。満たさない場合は、受精しにくいと言えます。
東洋医学では精力を高め、元気な精子を作れるように体を整えていきます。その上で、人工授精や体外受精、顕微鏡受精などの方法を取り入れることをオススメします。東洋医学と西洋医学の良い面を併せて治療を進め、治療効果をより高めたいものです。
漢方では食用蟻が有名です。昔から中国の歴代皇帝達が滋養強壮、精力UPのために食してきました。クコの実や魚の浮き袋、なまこや自然薯なども「精をつける食べ物」と言われています。用いる漢方薬は、数多くあり、その方の体質や体調に合わせていくことで、精子だけではなく体も元気になり体調もよくなります。
食事や漢方処方と一緒に、体調を整えていくことも重要です。お酒やたばこ、お肉ばかりの食事では良い精子を作れません。精子や卵子は夜作られるので夜更かしもダメですよ。ストレスもホルモンバランスが崩れるので、適度な運動とリフレッシュを! また、精子は熱に弱いので、ブリーフよりトランクスがよいでしょう。