漢方コラム
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Vol.57 『しもやけ』−体質を改善しておくことで予防を!
《かゆくて、つらい!! “しもやけ”原因は寒さによる「血行不良」》
寒い季節、しもやけに悩まされていませんか。しもやけは手足の指に現れ、赤く腫れあがり、温まると途端にかゆくなります。なったことがある人ならよく分かる、たいへんつらい症状です。
しもやけの主な原因は寒さによる血行不良です。しもやけができる仕組みは、まず冷えから静脈が弛緩(しかん)して血流が悪くなり、うっ血して血液が滞ってしまいます。そこへ後から血液が流れ込み、その周辺に血液が漏れ出て浮腫(ふしゅ)になります。冷えている時は動脈の血行も悪いため、あまり自覚症状はありませんが、温まると動脈の流れも良くなり、うっ血とむくみが進んで強い痒みを感じるようになります。
しもやけは冷え性で血流が悪くなりがちな体質の人に多くみられます。漢方では「瘀血(おけつ)」体質と言います。胃腸が弱く筋肉がつきにくいタイプは「脾気虚(ひききょ)」と言いますが、このタイプもしもやけになりやすいと言えます。血液を隅々まで送り込み、体を温めるためには筋肉が必要になります。しかし、胃下垂などのタイプは筋肉がつきにくく、血圧も低めという特徴があり、なかなか末梢まで血液を巡らせる力がありません。
漢方薬には体質の弱点を補うものや、しもやけに用いる生薬があります。血流の悪い「お血体質」や、胃腸の弱い「脾気虚体質」を改善し、予防しておくこともお勧め。末梢の循環をよくし、末端を温める漢方薬を合わせるとよりよいでしょう。お悩みの方は専門家にご相談を。日常的に運動を心がけ、寒いからといってじっとしていないで、▼できるだけ体を動かす、▼足湯をする、▼食べ物にスパイス類などを取り入れる、など血流改善にトライしてみてください。