漢方コラム
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Vol.56 『低血圧』−朝起きられない、倦怠感などでお困りの方!
《低血圧の体質で…とあきらめないで!!有効な漢方処方で体質改善を》
低血圧は一般的に、最高血圧が100mmHg以下のことを指し、▼めまい、▼ふらつき、▼朝起きられない、▼午前中はエンジンがかからない、▼倦怠感、▼動悸・頻脈などの症状がみられます。そもそも血圧とは血液が流れるときに血管にかかる圧力のこと。血圧が低いということは、心臓のポンプ機能が弱く、勢いよく血液が送り出されていないか、または血流が悪い、ということが考えられます。低血圧には他の病気が引き金になって起こるものと、特に原因のない体質的なものがあります。
体質的な低血圧の場合、病気とはされませんが、本人にはつらいもの。貧血ぎみの人に多く見られます。漢方ではこのような体質を、「気血両虚(きけつりょうきょ)」といいます。心臓と血管の元気が低下し、血液が足りないという意味。
このような体質的低血圧には漢方薬が有効です。オススメの生薬は「朝鮮人参」。体に元気がみなぎり、シャキッとします。実際は朝鮮人参と様々な生薬をブレンドし、タイプに合わせた漢方薬を処方します。
胃腸が弱い人には「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」、貧血気味で血色が悪いタイプには「十全大補丸(じゅうぜんだいほがん)」や「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などが有効。婦宝当帰膠は子宮の働きを高めてくれる当帰(とうき)という生薬が70%を占めており、生理痛や月経不順をはじめとする婦人科トラブルがある方にも良いでしょう。「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」と鹿の角を用いた強壮効果の高い漢方薬もあります。タイプにあった漢方処方で、つらい低血圧とサヨナラしませんか!!