漢方コラム
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Vol.55 年末年始の暴飲暴食による胃腸トラブル!
忘年会シーズンですね。おいしい食事やお酒を頂く機会がぐんと増えます。この時期になると胃もたれ、下痢、便秘、食欲不振など、胃腸トラブルの相談が増加します。
胃腸の不調が続くと消化能力が低下し、胃腸内に食べ物のカスが溜まる「食滞(しょくたい)」という状態になります。こうなると▼体がだるい、▼頭がボーッする、▼集中力がなくなる−などの症状が出てきてしまいます。体調を崩したままでいると、身体の抵抗力が落ち、風邪をひきやすくなるので、お正月に寝込んで過ごすことにもなりかねません。
《スッと胃を軽くしてくれる『晶三仙(しょうさんせん)』》
中国には、「欲得長生、腸中常清」ということわざがあります。常に腸をキレイにしておけば、長生きできる〞という意味です。
漢方には、スッと胃が軽くなる『焦三仙(しょうさんせん)』という処方があります。麦芽、サンザシ、神麹(しんきく)から成ります。▼麦芽はビールの原料。冷たいビールをたくさん飲むのはよくありませんが、適量を飲むと食欲が増進するのは麦芽に消化促進の働きがあるからです。▼サンザシは甘酸っぱい果実で、中国では果実酒やお菓子として親しまれています。胃腸の調子を整え、体力回復などの働きがあり、特に魚や肉類の消化を促進します。▼神麹(しんきく)は小麦粉、麹(ふすま)に小豆粉や杏仁泥などを練り合わせて発酵させたもので、酵素性の消化薬。当店では、『晶三仙』という粉状の飲みやすいものが手に入りますので、常備しておくと便利です。
良いお正月を迎えるために、お酒やごちそうはほどほどに…。