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漢方コラム 262/313

Vol.52 風邪には葛根湯!?タイプを見極めて正しい使用を!!

《「熱っぽい」「体が痛い」「寒気がする」こんな症状、どうしますか?》

 風邪の漢方薬といえば「葛根湯(かっこんとう)」が有名です。でも、のどが痛い時や熱っぽい時に葛根湯を使うと、悪化の危険があることをご存じですか? 漢方では風邪のひきはじめの症状により、▼風寒(ふうかん)と▼風熱(ふうねつ)の二つのタイプに分けて考えます。
 風寒とは寒気がして、肩がこわばり、汗が出ない状態。この症状には体を温め、汗をかかせる葛根湯が適しています。一方、風熱とは熱っぽく、喉が腫れて痛い、汗は出ていない状態のこと。この時に体を温める葛根湯は逆効果。炎症を鎮める処方が必要です。
 特にインフルエンザは高熱が特徴で、喉が腫れて痛む、鼻水や痰が黄色い、口が渇くといった症状を伴います。この場合は「銀翹散(ぎんぎょうさん)」という漢方薬が適しています。主薬の金銀花(きんぎんか:スイカズラ)や連翹(れんぎょう)は抗菌抗ウイルス作用があります。一緒に含まれる薄荷(はっか)と竹葉(ちくよう)は汗や尿を促す働きで熱を発散します。桔梗(ききょう)や牛蒡子(ごぼうし:ごぼうの種)はのどの炎症や痛みを抑える力があります。「銀翹散」は『天津感冒片(てんしんかんぼうへん)』などの名前で販売され、ご家庭の常備薬に適しています。
 風邪の治療はスピードが勝負!「あれっ、おかしいぞ?」と感じた時、すぐに正しい漢方薬を服用すれば症状が軽くなることは多々あります。漢方薬には即効性のあるものも豊富にあるんですよ。何となく放っておくとこじれてしまうのが風邪です。ご注意ください!
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