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漢方コラム 263/313

Vol.51 その薬、うっかりのんでいませんか? 自己判断は禁物!!

《薬の副作用を避けるには…専門家の漢方処方で最大効果と安心を》

 薬には副作用があることはみなさん御存じですね。漢方薬も医薬品ですから、箱の効能書きを読み、自分で判断して使ってしまうと、副作用が起こることがあります。ただ、漢方薬はきちんと使われれば、副作用の心配はほとんどありません!!

 漢方薬の副作用の問題として有名なものに「小柴胡湯(しょうさいことう)」があります。小柴胡湯は風邪のような発熱性の疾患に用いられてきた処方です。日本で慢性肝炎に対する効果が認められ、年間百万人以上の慢性肝炎の方に使われていた時期がありました。その時期に小柴胡湯の副作用が騒がれたわけですが、これには大きな問題があります。
 漢方では、同じ慢性肝炎でも人によってさまざまなタイプに分類します。これを「証(しょう)」といいます。例えば頭痛で相談にこられても、人によって使う処方は違います。これを『同病異治(どうびょういち)』といいます。また、全く違う症状で相談にこられても同じ処方を用いることもありますが、これを『異病同治(いびょうどうち)』と言います。
 漢方薬というのは病名診断ではなく、「証」によって使い分けるものだからです。あくまで、小柴胡湯は慢性肝炎のある一部の症状に効果があるというもので、乾燥性の特徴のあるものですから長期連用すれば副作用が出るのは当然といえます。
 漢方薬を西洋薬のように用いたり、漢方薬だからと安易に自分で判断せず、専門家の指導を必ず受けましょう。正しく用いれば、漢方薬は体に優しく、大きな力を発揮してくれます。
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