漢方コラム
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Vol.50 抗菌・抗ウイルス効果、免疫力もUPする生薬「板藍根」
《まず予防!! が漢方の基本 風邪やインフルエンザに備える》
風邪、インフルエンザ予防の鉄則といえば「うがい・手洗い」などですね。しかし、一番効果的な予防は自分自身の抵抗力を高めておくこと! 漢方は元々予防医学。病気を治すのは当たり前で、病気にならないように事前に予測し、手を打つことで健康を保持することが東洋医学の基本です。
知っておくと便利なのが生薬『板藍根(ばんらんこん)』。風邪・インフルエンザ予防に広く用いられています。抗菌、抗ウイルス作用のほか、清熱解毒作用や免疫機能を高める働きがあります。そのため、扁桃腺炎、流行性耳下腺炎、帯状疱疹、ヘルペス、ウイルス性肝炎などにも応用されています。以前、中国でSARSが流行した際、中国中の板藍根が各地で払底したのは有名な話です。インフルエンザの場合、流行の型を予測してそのワクチンを接種しますが、板藍根はあらゆる病原菌やウイルスの予防になるため、型が違っても問題ありません。
また、新種の病原菌やウイルスにも対応できるという点が板藍根の優れているところで、抗生物質のような副作用が無いのが特徴です。抗生物質は細菌による熱や炎症には有効ですが、インフルエンザのようなウイルス性のものには効果がありません。
このように書くと、強い薬のように感じるかもしれませんが、板藍根は中国では古くから家族みんなで愛飲してきた健康茶です。ビタミンやミネラルなどが豊富なアブラナ科の植物で、子供からお年寄りまで、幅広い年代層に役立つポピュラーな生薬です。