漢方コラム
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Vol.44 汗っかき‐よい汗・悪い汗/汗をかく人・かけない人
私たちの体は皮膚の末梢神経が暑さを感知すると自律神経が働き、毛穴から汗を出して体温調節をします。しかし、最近はエアコンの使い過ぎ、生活リズムの乱れなどで汗をかけない人が増えています。汗をかけないと、体に熱がこもりやすく、体に異常が起こりかねません。
反対に、すぐ汗をかく「汗っかきさん」も良くありません。汗は体の大事な液体なので、出すぎると消耗します。「汗をかくから代謝が良い」というのも早とちり。
《「スッキリ」する良い汗!内臓の元気不足解消を》
良い汗はかくとすっきりする汗のこと。汗をかいた後に、ぐったり疲れたり、気持ちが良くない場合は要注意。漢方では
「気虚」体質の汗と考えます。気虚とは、▼体力がない、▼だるい、▼やる気が出ない、▼胃腸が弱い、▼疲れやすい、▼風邪をひきやすい、▼筋力がない、など内臓や体の元気不足の状態を指します。このような体質の方は毛穴のしまりが悪く、汗が漏れ出ているのです。
ちょっと動くだけで必要以上に汗が出るという人に激しい運動はNG。内臓の気を高め、基礎体力をつけることが先決。まずはストレッチやヨガ、ウオーキングから始めてみましょう。
漢方薬では「黄耆(オウギ)」や「高麗人参」などの補気薬で内臓の気を高め、体力をつけます。また、オウギには毛穴の調節作用もあり、汗のかきすぎに効果があります。酸味のあるものには収斂(毛穴をひきしめる)作用があり、自然の甘味は滋養作用があるので、梅や酢、柑橘類やはちみつをドリンクにして運動の時に飲むと良いですね!!