漢方コラム
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Vol.43 「胃腸は体の除湿器」…梅雨のジメジメに要注意!!
梅雨はジメジメして湿度が高いため、体が重だるく、過ごしにくいものです。人間は常に自然界の影響を受けており、この時期は私たち人間の体にも湿気がたまります。四方を海に囲まれ、湿度の高い中で生活している日本人は体に湿気がたまりやすい体質です。
漢方ではこれを「湿(しつ)」といいます。湿がたまると下痢、軟便、体が重だるい、頭重感、むくみ、尿が濁るなどの症状があらわれ、白い苔が舌にベットリ付いています。五臓の中で除湿器の役割をするのが「胃腸」。胃腸の働きが低下すると水分代謝が悪くなり、いろいろな症状が出るのです。
《胃腸の機能低下すると体の中が「ジメジメ」に》
毎年「梅雨が苦手」「梅雨になると体調が悪い」という人は胃腸機能が低下していると考えられます。「胃は痛くないし、下痢も便秘もしない…」ということだけで判断はできません。胃下垂、胃腸が弱い人も梅雨は養生が必要!! 味の濃いものや甘いもの、油っこいものや冷たいもの、お酒なども要注意です。
梅雨時期を快適に過ごすポイントは胃腸機能を低下させないこと。キュウリやスイカなどウリ科の食材、緑豆、緑豆はるさめなどの暑さをしのぎ、利水作用のあるものがオススメです。芳香味のあるものには湿を取り除く働きがあり、漢方薬ではかっ香という植物を用います。シソ科の植物で、梅雨時期には欠かせない薬草です。紫蘇もよいです。これらが配合された「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」は体の湿を取り、不快な症状を改善します。