漢方コラム
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Vol.41 「痔の悩み」…漢方の得意分野 お気軽に相談を!!
痔は、肛門周辺の静脈が詰まって起こる一種の静脈瘤です。成人の3人に1人が「痔持ち」ともいわれています。直腸内の内核痔、肛門の外は外核痔、切れてしまう裂肛、膿がたまる痔ろうがあります。内核痔は排便時に出血することはありますが、あまり痛みません。外核痔は排便の時に激しく痛みます。裂肛は出血があり、激しく痛みます。
肛門周辺の血流が悪くなり、うっ血するとなりやすくなるため冷え性の女性にも多くみられます。便秘がちでトイレで力む方、妊婦さん、お酒やたばこを好む方もなりやすいですね。妊娠すると大きくなった子宮が骨盤底部を圧迫して痔になりやすくなります。妊娠初期はステロイド剤の入っていない、漢方軟膏などがオススメです。
肛門周囲の静脈は肝臓に流れ込むので、お酒を飲むと肝臓に負荷がかかり、血流を滞らせます。その結果、うっ血して痔が悪化します。たばこは血管を収縮させて痔を悪くします。
《痔は血流障害が原因!漢方で血流の改善を!!》
痔は血流障害からなるので、漢方薬の得意分野とも言えます。痔によく効く「槐角丸(かいかくがん)」という漢方薬には「槐角(かいかく)」「地楡(じゆ)」などの生薬が配合されており、患部の炎症を抑えて止血効果と血流改善効果をもたらし、便通を整えます。
生活の養生では、冷えると悪化しやすいので、お風呂には毎日つかりましょう。炎症を悪化させないようにお酒、たばこ、辛いものなどの刺激物、甘いものなどは控える必要があります。また、患部を清潔に保つことも重要で、排便の際にはこまめにぬるま湯で洗い流すと良いですね。