漢方コラム
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Vol.37 とっても恐い『糖尿病』食べ過ぎやストレスに気を付けて!!
国民の10人に1人は糖尿病、または予備軍と言われており、日本ではこの40年間で糖尿病患者はなんと50倍に増えています。
糖尿病には種類があり、大人の糖尿病のほとんどが2型糖尿病。食べすぎやストレスなどによりインスリンがうまく働かなくなったり、足りなくなって血糖値が上がってしまうタイプです。インスリンには血糖を下げ、ブドウ糖を全身に届けてエネルギーにしたり、蓄えたりする働きがあります。血糖値の上昇がなぜ悪いかというと、各臓器や筋肉にエネルギーが運ばれなくなり、さまざまな症状が出てしまうからです。
《自覚症状がないまま進行する!怖いのは合併症!》
漢方では「消渇病(しょうかつびょう)」がこれに当たります。書いて字のごとく、糖尿病が進むと、倦怠感(けんたいかん)があり、口が渇き、体が痩せてきます。2つ目の症状は、血糖値の高い血液が流れる血管はドロドロと流れが悪く、さびついてボロボロになってしまいます。砂糖水をこぼした床がベトベトするのと同じです。
糖尿病の3大合併症といえば糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経症。目、腎臓、末梢神経などの細かい血管のつまりによって起こります。糖尿病で失明する人や新たに人工透析を受ける人はたくさんいます。漢方薬は、口渇や倦怠感などの症状に対する対応と同時に細かい血管の詰まりを防ぎ、合併症予防に力を発揮します。
2型糖尿病は自覚症状がなく、自覚症状が出たころにはかなり進行しています。定期的に健康診断を受けて、早めの治療、食事の見直しに取りかかりましょう。