漢方コラム
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Vol.34 『妊娠中の風邪と漢方』‐【正しい薬の処方で元気に過ごして!!】
妊娠が判明する前に「風邪薬や痛み止めを飲んでしまった!」などと、心配される方は多いでしょう。しかし、妊娠が分かる初期の段階では薬の影響は受けにくいと言われています。
《葛根湯〞ちょっと待って!即効性ある漢方処方も》
妊娠すると、急に疲れやすくなったり、風邪をひいてしまうこともあります。そんな時、「葛根湯ならいいだろう」と思われがちですが、ちょっと待って!葛根湯は優しいというイメージがありますが、「麻黄(まおう)」という薬効の強い生薬が配合されているため、妊娠中は大量にとらない方がよいとされています。寒気が強いときにはよいですが、妊娠中は体温もあがりますので、『熱っぽく喉が痛い』というような症状のときには葛根湯は合いません。
その時は「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」というスイカズラの花やレンギョウなどの炎症を抑え抗菌抗ウイルス作用にある生薬が配合されたものがよいでしょう。聞きなれない方も多いかもしれませんが、妊婦でも安心して飲める漢方薬で、この処方は古くからある優れた処方です。むしろこちらのほうが出番は多いです。
漢方薬はゆっくり効いてくるものというイメージがあるかもしれませんが、風邪に関しては、おかしいと思ったらすぐに服用することで、即効性を期待できます。こじれる前に必ず専門家に相談し、症状に合ったものを見つけて早く治しましょう。お腹の赤ちゃんのためにも、抵抗力を落とさないために、冷たいもの、甘いものは控えて、温かくしましょう。