漢方コラム
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Vol.33 『流産』‐【予防と再発防止がカギ!! 専門家の処方で漢方も】
流産率は意外に高く、全体の10〜15%と言われています。早期の流産のほとんどは、胎児側の染色体異常などによるもので、母体に問題があることは少ないとされています。ですから、初めての妊娠で流産しても、次はうまくいく確率のほうが高いというデータがあるので心配しすぎる必要はありません。母体側の問題であれば、適切な対処を行えば防げる場合もあります。3回以上流産を繰り返す場合は習慣性流産となり、検査が必要です。
《流産は「小さなお産」。体力回復と体作りも重要》
流産は東洋医学では「小さなお産」ととらえます。流産後は、産後と同じくらい急激な気や血の消耗があり、子宮や卵巣の血流が悪くなっています。ゆっくりと体を休め、今後の予防のための体作りをしておくことが重要です。東洋医学の知恵は流産のリスクをできるだけ避けることにおいても生かされます。
漢方薬には安胎(あんたい)薬といい、胎児を安定させ、守り育てる働きのある生薬があります。予防のためとはいえ、妊娠前や妊娠中に薬を飲むことに抵抗を感じる女性は多いでしょう。けれども、長い歴史の中で、漢方薬には催奇性がないことが確認されています。それは漢方生薬が普段の食事と同じ、自然のものを活用しているからなのです。どんな場合も専門家の判断が必要です。自己判断せず、必ず専門家にご相談下さい。
流産後は「元気をつけなきゃ」と、お肉や高カロリーなものを摂りがちですが、胃腸の弱い方にはかえって負担になってしまいます。日ごろから穀類や野菜中心に、シンプルな食事でよい体づくりにも気をつけてみて下さい。