漢方コラム
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Vol.23 『熱中症』−【熱中症と夏バテ予防にさわやかな甘みと酸味〞がgood!!】
熱中症に気をつけましょう。症状としては、急激な発汗によって脱水が起こり、血液が濃縮されるため、口が渇いて、尿量が減る、胸苦しい、息切れして体に力が入らない、高熱が出る、脈が乱れる、などがみられます。ひどくなると意識を失ったり、けいれんを起こすこともあり、心不全を引き起こすと命の危険性もあります。
炎天下に長時間いることを避けるのはもちろんですが、地面からの照り返しにも注意が必要です。特にお子さんは地面から顔の距離が近いため、大人が気をつけてあげましょう。また、気温はそれほど高くなくても、湿度が高いとうまく汗を蒸発させることができません。熱をため込んでしまい、その結果、室内でも熱中症を引き起こすことがあります。
こまめに水分補給することは大切です。けれども、冷たい飲み物は胃腸を冷やし、夏バテの原因にもなります。汗は体に有用な水分なため、汗をかきすぎると疲れてしまいます。ただの水分補給では元気を補うことができません。漢方の考え方『酸甘化陰(さんかんかいん)』は手軽な水分補給と健康維持に効果的!「酸味と甘みを組み合わせるといち早く体液を増やし、体を潤すことができる」という意味です。スポーツする方がレモンの蜂蜜漬けなどを食べていたりしますが、そういう意味ではぴったりですね。リンゴ酢にはちみつを加えたものを飲み物として持参する、甘酸っぱいスープやフルーツなどもお勧めですよ。実際漢方薬でこの組成で成り立つのが、『麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)』。夏バテや夏の暑さをしのぎ、元気の出る漢方薬です。