漢方コラム
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Vol.22 『冷房病』−【エアコンの設定温度は外気と温度差5度以内に抑えて】
暑くなると、職場や外出先などでの冷房による体の不調に悩まされている方の相談が増えます。冷房病とは、屋外と屋内の温度差で自律神経が乱れ、だるさやむくみなどが現れてくるものです。毛穴が閉じてしまい、上手に汗をかけなくなり、体温調節がうまくいかなくなるのです。暑いからといって冷たい飲み物などを多く摂ると、なおさら体にたまった水分は発散されにくくなります。冷えることで血流も悪くなり、胃腸の機能も低下し、全身の機能が低下します。
《体だるく、生理痛も!太りやすくなる人も!》
症状としては、体がだるい、体が重い、むくみ、食欲不振、腹痛、下痢、太るなど。冷房による”冷え”で、生理痛や生理不順の相談も多くなってきます。全身の新陳代謝も低下するため、太りやすくもなります。
冷房設定温度は、外気温との差が5度以内にするのがベストですが、職場などでは難しいでしょう。自分でできる対策は、できるだけ、冷えを溜め込まないこと。夏でも湯船につかり、暑ければ足湯をするのも良いでしょう。冷たいものは控え、口に入れるものは体温以上のものを心がけて。腹巻、ひざ掛け、スカーフを利用し、冷房のかかった部屋ではシナモンや生姜、クローブやカルダモンなどのスパイスを効かせた紅茶など、薬膳茶を飲むのも効果的です。症状がひどい場合は専門家に相談するようにしましょう。体を温め血行をよくする漢方薬や、皮膚のバリア力、免疫力を高める漢方薬などで体調を調節することができます。