漢方コラム
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Vol.21 不眠の原因に働きかけ、身体バランス整える漢方の眠り〞
「なかなか寝付けない」「途中で目が覚める」「眠りが浅い」このような悩みを抱えている方はたいへん多くなっています。不眠の原因は環境的要因、病気やケガによる肉体的要因のほかに、加齢、ストレスに精神的要因、心の病気、などがあります。現代生活では、ストレスや神経的な原因から不眠を抱えるケースも多いのではないでしょうか。
人は身体を休める時、全身の血液が肝臓に返ってきます。老廃物を含んだ血液が全身から集められ、肝臓で浄化されます。そして、身体が活動を始めると肝臓からキレイな血液が全身に送り出されます。ですから、寝る前にあれこれ考えると脳に血液がたまってしまい、不眠の原因にもなってしまいます。
《寝るべき時間に眠る原因改善が漢方の特徴》
漢方薬では、不眠に用いられる処方はたくさんあります。肝の働きを助けるものや、安神(あんじん)といい、精神を安らかに落ち着ける生薬が配合されているものなどがあり、一人一人の原因に合わせて使い分けます。これらは飲んですぐ眠くなるといった睡眠を促すものではありません。眠れなくなる原因を改善し、寝るべき時間に眠りやすくするよう身体のバランスを整える働きがあります。そのため、ぼーっとする、口が渇くなどといった副作用がなく、不眠以外の症状も同時に楽になることが特徴です。
常用したい食材としては、体力がなく疲れやすいタイプはなつがオススメ!ゆりの根、小麦にも安神作用があります。気が高ぶって興奮している方はゆずなど柑橘類や、ほうれん草、春菊、せり、ほうれん草などの苦味ある野菜を摂りましょう。