漢方コラム
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Vol.16 『目の疲れ』−【『肝』の働きと血液不足に要注意!!】
目が疲れた時どうしていますか?目のまわりをマッサージしたり、ホットタオルをのせたり、目薬をしたり。どれもよい方法ですが、一時的なものにしかすぎません。東洋医学では五臓の働きは広い意味合いを持つので、現代医学でいう内臓とは全く同じではありませんが、目は肝臓、耳は腎臓、鼻は肺臓、口は脾臓(東洋医学で言う消化器系)、舌は心臓とそれぞれ密接に繋がっていると考えられています。たとえば外食が続いたり、胃が疲れている時などは口の周りにできものができたり、口内炎ができますね。その場合、胃の炎症や疲れをとる漢方薬を用いるとすぐによくなります。
肝臓は血液の貯蔵庫です。「初潮が始まった途端に視力が低下した」「生理前や生理中に目がかすむ」、「貧血気味のときに目がまぶしい」のは肝臓の血液が不足しているというサインです。中国では「生理中や妊娠中は目を使いすぎない」という養生の教えがあります。目を使いすぎることで血液の消耗を招かないように配慮するということのようですね。
《クコの実(枸杞子)、菊花は目によい生薬!》
「枸杞子」「菊花」は肝臓の働きをよくし、目によい漢方生薬です。これらが主成分の「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」という処方は昔から目のトラブルに広く用いられています。枸杞子はよく杏仁豆腐の上にのっている赤い実です。サラダや煮物、スープ、ごはん、なんにでも用いやすいので毎日摂ることをお勧めします。菊花は漢方で用いるものとスーパーのものは種類が違いますが、食用でもOKです。お茶にしたり、酢飯に混ぜたり蒸し物に加えたりしておいしく食べてみてください!