漢方コラム
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Vol.17 『むくみ』−【冷え改善と水湿改善で「むくみ」を撃退】
夕方になると足がむくむ。朝起きると顔がむくむ。漢方の考え方では、「水湿(すいしつ)」といい、体に湿気がたまっている状態を指し、この状態をほおっておくと健康を損なうと考えています。
《濃い味付けの食事や冷え、運動不足も影響》
日本は湿気の多い地域です。また、塩分は水を呼び込む性質があるため、味の濃い食事の影響。それに加えて運動する機会も減り、クーラーの普及などによって汗をかかなくなったり、冷蔵庫や自動販売機の普及によりいつでも冷たいものをがぶがぶと飲むようになりました。たくさん飲んでもきちんと排泄されればよいですが、代謝が落ちていて水はけが悪くては水分過剰になってしまいます。
体に余分な水分がたまっている「水湿」タイプの方は、梅雨時期、やる気が出ない、体が重だるい、眠い、頭が痛い、下痢しやすい、などになりやすいといえます。自然界でも湿気の多いところに苔が生えるように、人間でも同じような状態がみられます。舌を見たときに、白い苔がべっとりついている場合は、水分過剰の状態をあらわします。歯ブラシで磨いてもまたすぐにでてきますから、体の中を乾燥させてあげることが重要です。
漢方薬ではむくみ改善の処方はたくさんあります。女性は冷えて水分代謝が悪くなっているケースが多いので、漢方薬で冷えも同時に改善していくとよいでしょう。日常では、足湯なども取り入れ、利尿作用のあるものや、腸内で老廃物や水分を吸収して外へ排泄する食べ物を。たとえばはとむぎ、冬瓜、スイカ、きゅうりなどの瓜科のもの、緑豆はるさめ、緑もやし、小豆、海藻類、雑穀、玄米などを積極的に摂るとよいでしょう。