漢方コラム
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Vol.11 『髪、爪、肌、生理−女性特有のトラブル』【血が主役…『質・量』を重視して、美しさと健康をGET!】
髪にはトリートメントをして、爪には栄養クリームを塗って、顔には高い美容水やクリームを何種類も塗って、生理中には鎮痛剤を飲んで…女性は美容と健康維持のためとっても忙しいものです。
《女性は慢性的に血液不足、漢方と食事で良質血液補充》
漢方の考え方ではそのすべてに「血」が絡んでいると考えます。髪や爪、皮膚に栄養を行き渡らせつややかに潤し、体を温めるのは血液の役目なのです。
女性は一生のうち、平均35年生理があり、およそ350から450回の生理が訪れます。1回の総量が50〜100mlなので、生涯で約17リットル〜45リットルもの血液が出ていってしまいます。よって、女性は『慢性的に血液が不足している状態にある』と考えられるのです。漢方では血液が不足する状態を「血虚(けっきょ)」といい、多くの女性が該当します。西洋医学でいう貧血とは「血の濃度」を調べますが、漢方の「血虚」は濃度だけではなく量や質も重要視します。ですから、漢方では貧血検査では正常でも、めまい、たちくらみ、冷えや髪のパサツキ、爪が割れやすいなどがあれば「質のいい血液が不足しているな」とみなして、血を補う「補血薬(ほけつやく)」を用います。食べ物では人参、ほうれん草、トマト、黒米、枸杞の実、なつめなどでしっかり血液を補いましょう。良質な血液を体内に循環させ、肌や髪、爪など気になるポイントも美しく!身近な食材っが多いので、ご家庭でも取り入れてみてくださいね。