漢方コラム
◀
165/313
▶
Vol.149 風邪に即効性を発揮する漢方薬/「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」
漢方は効くまでに時間がかかるというイメージが強いと思いますが、実は風邪などすぐに症状を抑えたい急性病にも、とても効果があります。しかも、風邪は漢方の得意分野でもあるのです!症状によって漢方薬をきちんと使い分け、ひいたら早めに飲むことで、風邪は急速に良くなります。タイミングが良ければ、半日かからず治るということもあります。風邪をひくと寒気がしたり、熱が出たり、咳が出たりしますが、これらは全て体が外邪と戦い、追い出すために起きた反応です。せっかくの熱を解熱剤で下げてしまったり、抗生物質で腸内にいる良い菌まで殺してしまうと、だれもが持っている自然治癒力を低下させて治りが悪くなり、病弱になります。
風邪を治すには自然治癒力が重要です。風邪薬を飲んでも治らないという人は自然治癒力が低下しているということ。風邪薬が風邪を治すのではないのです。
漢方の風邪薬は自然治癒力を最大限に高め、治りを良くするという働きがあります。葛根湯はぞくぞくと寒気がするときに効果があり、ぐっと体の中心を温め、汗をかかせるので風邪の初期に飲むとよく効きます。のどが痛い、熱っぽいという風邪には「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」が良いでしょう。頻度で言えば、葛根湯よりも圧倒的によく使いますし、ご家庭の常備薬としても欠かせません。妊娠中でも飲める体に優しい漢方薬です。