漢方コラム
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Vol.147 妊娠、出産、授乳で大量の血液が消耗!
《食事と漢方で質の良い血液をつくり出す》
女性と血液は切っても切れない関係にあります。女性が抱える不快な症状の多くに「血」が関係していると考えられます。立ちくらみ、耳鳴り、生理不順、生理前の頭痛、不眠、皮膚のかゆみ、爪が割れる、抜け毛、婦人科疾患、不妊症、流産、更年期障害など。どれも血の不足や血の停滞と関係することが多いのです。
女性は毎月生理があり、思った以上に多くの血液を消耗しています。生理で毎月50〜70㎖の経血を排泄しており、2年間で約1・5ℓ。28歳の時で計10ℓ。40歳の時で約20ℓの経血を排泄していることになります。
また、出産、授乳でも大量の血液を消耗します。出産では平均450㎖の出血があるといわれ、授乳では日々大量の血液が使われます。そのため、産後は血の余り〞といわれる髪の毛が抜けることもあります。産後、母乳が出ない人が増えているのは妊娠中の食事などが影響し、質の良い血液が作られていないからともいわれています。量は食べていてもカロリーばかりが高く、実際に血になるものが少ないためです。
女性はたくさんの血液を消耗する分、努めて血を作る食事に気を付けなければいけません。ほうれん草、小松菜、金針菜、なつめ、クコの実、人参、黒豆、穀類をしっかり摂り、加工品、甘いもの、ファストフードなどは避けましょう。妊娠中から「当帰(とうき)」などの生薬を主成分にした漢方薬を続けることで、安胎といい、流産予防にもつながります。また、産後の肥立ちを良くし、しっかりと母乳が出るための準備になります。